武将以外の人物 戦国武将の簡単な経歴を紹介
主人公となっている武将が中心です

インデックス 
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 武将以外 主人公以外の登場人物
デル・プラド戦国覇王を
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旭姫 あさひひめ (駿河御前)
豊臣秀吉の異父妹。豊臣秀長と同腹の妹。父は竹阿弥
尾張の百姓家に嫁ぎ、夫は秀吉に取り立てられ佐治日向と名乗る
佐治日向没後に副田甚兵衛に嫁いだ。小牧・長久手の後に徳川家康を上洛させるため離縁され、家康に嫁いだ
家康上洛後に駿府城に住み、駿河御前と呼ばれた
大政所の看病のため上洛し、その後は駿府に戻らず翌年聚楽第で病死した

登場する本
駿河御前
 (「豊臣家の人々」収録)
脇役:豊臣秀吉徳川家康


アレッサンドロ・ヴァリニャーニ
イエズス会の宣教師。イタリア・キエティ出身。天正元年に巡察使としてインドのゴアに派遣され、マカオを経て天正七年に来日
九州での布教に続き、天正九年に上洛してオルガンティノ、フロイスらとともに本能寺で織田信長に謁見
馬揃えに招待されるほどの歓待を受けた
その後安土で聖職者養成機関・セミナリオを開く。セミナリオは島原半島の有馬にも開設された
また、自ら企画した天正遣欧使節を伴って離日。ゴアに滞在し、天正十八年にローマから帰国する使節に合流して来日した
このとき印刷技術を伝え、キリシタン版を刊行して布教活動の一助とした
その後豊臣秀吉の禁教政策により一時インドに退去。慶長三年にセルケイラとともに三度目の来日を果たす
しかし慶長八年以降はマカオに戻り、この地で没した

登場する本
ヴァリニャーノとキリシタン宗門



石川 五右衛門 いしかわごえもん
伊賀忍者で盗賊の棟梁。伊賀・石川村生まれ。石川文吾
百地三太夫の弟子となり、忍術を学ぶ。その後三太夫の妻と駆け落ちし、その妻を殺し京へ逃げる
京では石川五右衛門と名乗り、盗賊を働いた
京都所司代・前田玄以に逮捕され、豊臣秀吉によってカマユデの刑になる
母親・一味などは、三条川原で磔にされた

登場する本
石川五右衛門
 赤木駿介著


石川五右衛門
 壇一雄著
石川五右衛門
 桜井滋人著
GOEMON

五右衛門処刑

五右衛門新伝説

忍びの者 五右衛門釜煎り

真説石川五右衛門

太閤暗殺
脇役:前田玄以

はぐれ五右衛門
脇役:服部半蔵

関ケ原の雨(脇役)
主人公:−無銘剣−


石川 丈山 いしかわじょうざん
徳川譜代の臣・石川信定の子。石川重之。幼名・左近
徳川家康に小姓として仕え、大阪夏の陣で手柄を立てるが、抜け駆けだったため論功を受けることができなかった
これを契機に浪人し出家し京の妙心寺に入り、親友・林羅山の勧めで藤原惺窩に儒教を学ぶ
のちに京都所司代・板倉重宗の斡旋で、広島の浅野家に仕えた。しかし十四年間仕えたのち隠居
京の洛北に詩仙堂を構え風流三昧の生活を送った
儒者・漢詩人・書家・茶人・造園家の顔を持つ文化人として有名
特に漢詩と隷書と呼ばれる書き方にすぐれ、多くの作品を残している

登場する本
将軍暗殺
脇役:松平信綱佐和山隼人

艶隠者―小説 石川丈山


以心崇伝 いしんすうでん (金地院崇伝)
臨済宗大覚寺派の僧。足利義輝の家臣・一色式部少輔秀勝の次男
父の死後、南禅寺に入り玄圃霊三の師事する。一時、醍醐三宝院で学んだり、相国寺の西笑承兌にも指導された
最終的には南禅寺金地院の靖叔徳林に嗣法する
二十六歳で住職資格を得て福巌寺に住し、さらに十刹寺院である禅興寺に転住
のちに建長寺に住し、同年南禅寺の二百七十世住持に就任した
徳川家康の命で駿府に赴き、西笑承兌の後任として外交往復文書の書記となる。
次第に頭角を現して幕府の宗教行政にまで携わるようになって、やがて国政にも重きを成すようになった
キリスト教禁制をはじめ、寺院法度・武家諸法度など多くの法令に関与する一方、方広寺の鐘銘事件では豊臣氏に難題を吹っかけ大阪の陣のきっかけを作った
家康死後の神号問題で天海と争い敗北したが、のちに僧録司となり禅宗五山派の実権を掌握した
「黒衣の宰相」といわれ政治に辣腕を振るったが、庶民には人気がなく「大慾山気根院僭上寺悪国師」とあだ名された
紫衣事件で崇伝に厳罰を主張された沢庵は、彼を「天魔外道」と評している
著書に「異国日記」「本光国師日記」「本光国師法語」などがある

登場する本
黒衣の宰相
脇役:*小宰相ノ局徳川家康



伊東 マンショ いとうまんしょ
日本名・伊東虎千代麿。日向国主・伊東義祐の娘の子。父は伊東祐青
島津家による日向侵攻で伊東一族が豊後に逃れたとき、孤児となる。ヴァリニャーノ神父に引き取られ受洗
大友宗麟の天正少年使節団の一員となり、宗鱗の名代とされた
スペイン国王や教皇と謁見
帰国後、マカオで修道士として修行し、九州で布教活動を行った

登場する本
少年賛歌


今井 宗久 いまいそうきゅう
堺の豪商。屋号は納屋。武野紹鴎の娘婿で弟子
東近江の貧しい商人の子で諸国放浪後に大和・今井で商売をはじめ土地の有力者となる
その後堺の豪商・納屋宗次の下で商売を行い、武野紹鴎に弟子入りして茶を学ぶ
紹鴎の娘を娶り宗次から暖簾分けしてもらい納屋宗久と名乗る
紹鴎没後にその息子(後の宗瓦)の後見となり、紹鴎秘蔵の名物茶器を勝手に持ち出して大名との関係を深めた
織田信長と堺衆の対立では津田宗及と共に町衆を説得し武力衝突を回避した
以降信長の信頼を得て鉄砲・弾薬を独占し巨富を築いた
しかし信長没後は羽柴秀吉から遠ざけられて勢力は衰えた
茶道三宗匠の一人で、個性がないのが個性と言われた

登場する本
武装商人
(「壮心の夢」収録)

覇商の門
脇役:松永久秀織田信長



今井 宗薫 いまいそうくん
今井宗久の嫡男。堺の町衆で茶人。後に武士となった
父の遺領を継ぐことができず摂津・住吉郡内で千石の知行を与えられ、茶頭として豊臣秀吉に出仕
関ケ原後には徳川家康の近臣として仕え、後に和泉・河内の代官となった
大坂冬の陣では東軍に通じる嫌疑を受けて大坂城に監禁される
のちに逃れて東軍に従った

登場する本
闇の関ヶ原


岩佐 又兵衛 いわさまたべえ
京都・江戸・福井で活躍した画家。荒木村重と側室・たしの子といわれる。たしは本願寺の坊官・下間頼廉の子ともいわれる
有岡城落城時に乳母に抱かれて落ち、京都西本願寺別院に隠れた。母方の姓を名乗り岩佐又兵衛と称す
長じて織田信雄に仕えたが、生来絵が好きで妙手の域に達する。名声を聞いた将軍・徳川家光に召しだされ浮世絵の祖となる
ただし、誤伝であるという説もあり。作品に「三十六歌仙絵額」がある

登場する本
岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎


爛漫の時代―浮世又兵衛物語



ウイリアム・アダムス (三浦按針:みうらあんじん)
初めて日本に来たイギリス人。オランダ船団の航海長として旗艦デ・ホープ号に乗艦する
しかし途中で航海長を罷免され、副艦デ・リーフデ号に移って航海士となった
1600年(慶長五年)にデ・リーフデ号は船団の五隻中唯一、大分県臼杵に漂着し、アダムスたちは太田一吉に保護された
のちに彼のみ徳川家康に取り立てられ、二百五十石の家康の外交顧問となった
航海術、造船術の知識、西洋諸国の戦争の状況などを日本に伝えた
相模・三浦の逸見に領地を得て「三浦按針」と名乗り、日本人女性と結婚し子供が2人いた
大阪の陣が始まる頃、扶持は子に譲り、南海への遠洋貿易を始めるために出航するが、失敗して日本に戻る
その後貿易家として活動したが、マラリアにかかり平戸で病死した

登場する本
航海者
脇役:向井正綱徳川家康

海の隼

さむらいウィリアム 三浦按針の生きた時代


王直 おうちょく (五峰王直)
明国安徽省生まれ。仲間と共に海商に身を投じ「海商王直」として名を知られる
種子島に漂着したポルトガル船に乗っていてその後肥後の五島の領主・宇久氏の厚遇を受け五島を根拠地に定める
明からの品物を主に平戸で売りさばき、後に平戸に居を移す
倭寇の頭目と見られ浙江の総督・湖宗憲に捕らえられる。二年後に処刑された

登場する本
倭寇王秘聞
 (「権謀の裏」収録)

大村 加卜 おおむらかぼく
水戸光圀から扶持せられた刀匠。駿河・有度郡下川原村の百姓・森助右衛門の次男。森次郎左衛門
諸国放浪の後に名を大村加卜と称し、越後高田藩・松平光長の外科医として三百石で召抱えられた
手術用のメスを作る中、刀鍛治として名をはせ、真ノ十五枚甲伏の活太刀を完成させた
のちに越後高田藩を退転し、江戸で浪人暮らしをした。そして水戸光圀に召抱えられ刀を鍛った
粗暴で傲慢であったため争いが多く、あるとき若侍たちに襲われた
相手を切り倒したものの右の腕を切り落とされ、その腕を相手の口にねじ込んで絶命させて、その後家に帰って自刃したという

登場する本
牛斬り加卜
 (「兵庫頭の叛乱」収録)

岡部 以言 おかべもちとき (岡部又右衛門)
熱田の大工。岡部以俊の父
安土城築城では作事(建築)の責任者を務めた

登場する本
乱紋

火天の城
脇役:岡部以俊織田信長


岡部 以俊 おかべもちとし
熱田の大工・岡部以言の子
織田信長の命で琵琶湖の大船を築造。長篠の戦いでは武田騎馬隊を遮るための櫓を作った
安土城築城の際は父・以言が作事責任者を、以俊が大工頭を務めた
築城後に信長から「日本総天守棟梁」の称号が与えられた

登場する本
火天の城(脇役)
主役:岡部又右衛門


奥村 光親 おくむらみつちか (奥村弥五兵衛)
近江(甲賀)出身の忍者。奥村弥五兵衛光親
父の代に甲斐武田氏に仕え、武田滅亡後は真田家に仕えた
徳川軍の侵攻による上田城攻防戦ではゲリラ戦を展開し、徳川軍の撃退に活躍した
関が原の戦いや大阪の陣にも参加したといわれる

登場する本
戦国無頼−真田ゲリラ隊
(「霧に消えた影」収録)


お江 おごう (小督・お江与)
浅井長政お市の三女。淀殿の妹。小督
長政滅亡後、母や姉と共に織田信長のもとに戻り、織田信包に養育された
母が柴田勝家と再婚すると、姉たちと共に北ノ庄で暮らす
賤ヶ岳で勝家が自害すると、羽柴秀吉の庇護を受けた
秀吉の斡旋で尾張大野領主・佐治一成に嫁ぐが、その後離縁。秀吉の姉の子で養子の豊臣秀勝に嫁ぐ
秀勝死後、徳川家康の嫡男・徳川秀忠に嫁いだ
子は、徳川家光徳川忠長千姫、珠姫(前田利常妻)、勝姫、初姫、和子(後水尾天皇中宮:東福院)
お江は嫡子・家光を憎み、次男・忠長を後継者に望んだが、徳川家康により嫡男相続の断が下された

登場する本
江 姫たちの戦国

美女いくさ

姫君御姉妹
(「幻の百万石」収録)
主人公:淀殿


乱紋

(脇役)
主人公:お市淀の方春日局

佐治与九郎覚書(脇役)
(「天目山の雲」収録)
主人公:佐治一成



お船 おせん
与板城主・直江景綱の娘。上野総社・長尾顕吉の子・与兵衛信綱を婿に迎えた
御館の乱の後に信綱が死亡したため、直江家の断絶を惜しんだ上杉景勝が樋口与六(直江兼続)を婿とし、一男二女をもうけた
内助の功に徹した聡明な女性で、北条政子に似ていたとも言われる
夫婦の仲は睦まじく、兼続は生涯側室を持たなかった
兼続の死後は後室と呼ばれ、上杉定勝の政治に裏から尽力。女性としては異例の三千石を与えられる
兼続の遺志であった『文選』の刊行も手がけた

登場する本
直江兼続とお船


直江兼続と妻お船


花に背いて―直江兼続とその妻


於大 おだい
徳川家康の母。緒川城主・水野忠政の子。岡崎城主・松平広忠に嫁ぎ竹千代(後の家康)を生む
父の跡を継いだ兄・水野信元が織田方に走り、広忠から離縁される
阿久比城主・久松俊勝に嫁ぎ、三男三女をもうけた。
今川義元の上洛軍にあった家康と再会。三人の息子に松平姓を許された
その後、夫と共に岡崎に移り、夫の死と共に尼となり、伝通院と号す

登場する本
家康の母

月を吐く(脇役)
主人公:築山殿



於奈津の方 おなつのかた (於夏の方)
徳川家康の側室。伊勢北畠氏の旧臣・長谷川藤道の娘。兄・藤広が家康に仕えていたときに召しだされた
兄とともに外国貿易に関与。同じ側室の於梶の方とともに駿府城の勘定奉行の役割をこなし、乱費を防いで家康の期待に応えた
家康の死後に落飾し清雲院を称す。江戸城三の丸に住み賄料五百石を与えられた
四代・家綱の時代まで生き、八十歳で没した

登場する本
戦国―於奈津の方


お六の方 おろくのかた (養儼院)
徳川家康の側室。今川家旧臣・黒田五右衛門直陣の娘。養儼院
元は側室・お八の方の部屋子であったが、美人で歌道に通じて諸事器用にふるまったので、家康に気に入られ側室となる
大坂の陣で家康公に供しているが、家康が死んだとき、まだ二十歳であった
のちに榊原康政の養女となり、喜連川左馬頭頼氏の嫡男・河内守義親へ再縁する
家康公の年忌で日光東照宮に参詣の時、持仏堂の家康の位牌前で焼香中に頓死した。二十九歳

登場する本
仇花
脇役:徳川家康お勝


甲斐姫 かいひめ
忍城主・成田氏長の娘。豊臣秀吉の側室
武術に優れ、石田三成による忍城攻めでは病死した城代・泰季の代わりに指揮し、自らも奮戦し敵将を討ち取った
開城後は父とともに蒲生氏郷のもとに赴き岩代福井城に住む
家臣・浜田十兵衛が謀反を起こしたとき、留守中だった父の代わりに浜田を討ちとった
その後豊臣秀吉に気に入られ、秀吉の側室となる。淀殿との仲は良く、幼い豊臣秀頼の守り役をまかせられた
秀頼の子を生み、豊臣家滅亡後に千姫の口添えで、娘と共に鎌倉の東慶寺に入った

登場する本
忍城の姫武者

紅蓮の狼
 (「青嵐の馬」収録)
脇役:成田氏長上泉信綱


勧修寺 晴豊 かじゅうじはるとよ
藤原氏。権中納言晴右の子
諸官を歴任して、正四位上で参議・右大弁に任じ、従二位・権大納言に昇った
その後従一位・准大臣を宣下した
武家伝奏の職にあったため、織田信長豊臣秀吉との関係が深く、千利休とも交誼があった
日記『晴豊公記』が現存する

登場する本
天正十年夏ノ記
脇役:織田信長



果心居士 かしんこじ
筑後生まれの幻術師。大和・興福寺の僧で、外法による幻術に長じたために破門されたといわれる
織田信長豊臣秀吉明智光秀松永久秀の前で幻術を披露した
小泉八雲の『日本雑記』には「果心居士の話」があり、絵の中から船を呼び出して船に乗り込むと、そのまま絵の中に消えていったという話が伝えられる
実在したかどうかは不明な人物

登場する本
果心居士の幻術


賢者の復讐(「暗鬼」/「天正十二年のクローディアス」収録)
脇役:豊臣秀吉



春日局 かすがのつぼね (お福)
明智光秀の家臣・斎藤利三の娘。母は稲葉道明の娘。本名・お福
四歳のとき、父が本能寺の変に加担し処刑される。お福は海北友松に家族とともに匿われた
やがて土佐の長宗我部元親を頼り、のちに三条西実条に奉公する
そして母方の稲葉重通の養女となり、小早川秀秋の家老・稲葉正成と結婚。子の稲葉正勝は後に徳川家光の側近となる
後に離婚し江戸城大奥に女中として仕えた。そして後の三代将軍・徳川家光の乳母となる
徳川秀忠の次男・徳川忠長を寵愛するお江とはそりが合わず対立。
駿府の徳川家康へ直訴に及び、見事家光を将軍職に就かせた
この件で家光から母以上に慕われ、大奥内での権勢はとても大きかった

登場する本
大奥秘交絵巻春日局

華燃ゆ―小説・春日局

春日局
 早乙女貢著
春日局
 杉本苑子著
春日局
 堀和久著
春日局
 佐竹申伍著
春日局 NHKテレビシナリオ

春日局と歴史を変えた女たち

火宅の女 春日局

小説春日局

(脇役)
主人公:お市淀の方

徳川家光(脇役)
主人公:徳川家光


加藤 段蔵 かとうだんぞう
通称「飛び(鳶)加藤」。戦国期で最も異能の忍者といわれる
常陸出身といわれているが、詳しいことは不明
上杉謙信に仕えるため越後へ行くが、あまりの異能ぶりに内通の仇となることを恐れ暗殺されそうになるが逃れた
その後武田信玄のもとへ行くが、やはりその異能ぶりを警戒され、討ち取るように命じられた
そして土屋昌次に斬られたとも、馬場信房の屋敷にて射殺されたともいう

登場する本
惡忍 加藤段蔵無頼伝
脇役:*弁天兄弟・*座無左


神屋 宗湛 かみやそうたん 
博多の海商・神屋紹策の子。通称・善四郎。武野派の茶道家
朝鮮との交易や石見銀山開発で富を成す。堺の豪商・茶人を通じて織田信長に接近
京の本能寺に招かれたときに変に巻き込まれたが逃れる
その後に豊臣秀吉に寵愛され、大阪城茶会で「筑紫ノ坊主」と呼ばれた
九州征伐や朝鮮出兵の陰で秀吉の為に尽力した
関ヶ原後は精彩を欠き、徳川幕府時代は黒田長政の入部に伴って福岡藩の御用商人となった
「宗湛日記」を記す

登場する本
神屋宗湛の残した日記


盗っ人宗湛
(「壮心の夢」収録)


吉乃 きつの 
尾張小折村の豪商・生駒家宗の娘。はじめ土田弥平次に嫁ぐが長山の合戦で弥平次が討死したため実家に戻る
その後織田信長に見初められ側室となった。織田信忠信雄・五徳を生む
生駒家に出入りしていた藤吉郎を信長に推薦して仕官させたともいわれる
信長が清洲から小牧山城へ居城を移したときに「御台」として入城
しかし五徳を生んだあとから体調を崩して伏せがちとなり、三十九歳で病死した

登場する本
吉乃
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:織田信長


規伯玄方 きはくげんぼう (方長老)
対馬藩の朝鮮との外交僧。以酊庵庵主。景轍玄蘇の弟子
玄蘇没後はしばらく京都の寺で修業する。その間は柳川調興が外交を担当
その後対馬に戻って外交を担当した
しかし調興が幕府に宗家の朝鮮への国書改竄を訴え、江戸で対決
宗家は勝訴したものの玄方は国書改竄の罪により、盛岡・南部藩に配流された
南部藩では文化人として厚くもてなされ、二十三年間過ごした
その後赦免され大阪で没した

登場する本
国書偽造(脇役)
主人公:柳川調興


*霧隠 才蔵 きりがくれさいぞう
大坂冬の陣で真田幸村が使った忍び・霧隠鹿右衛門をモデルとした架空の人物
『立川文庫』では江北の大名浅井家の侍大将霧隠弾正左衛門の遺児となっている
浅井家滅亡後に伊賀の住人・百地三太夫を師として忍法を学んだ
大盗賊・石川五右衛門とも同門。姫路近くの山中で山賊となっていたところで猿飛佐助と遭遇
忍術を競い合った後、佐助に誘われて十勇士の一人となる
大坂夏の陣では徳川家康の本陣に忍び込み首を掻こうとするが、失敗
大坂落城後、豊臣秀頼脱出に成功する
登場する本
猿飛佐助 真田十勇士
 (脇役)
主人公:猿飛佐助

風神の門
脇役:猿飛佐助真田幸村

霧隠才蔵

霧隠才蔵 紅の真田幸村陣

霧隠才蔵 血闘根来忍び衆


桂林院 けいりんいん (北条夫人)
北条氏康の六女。母は側室の松田氏
北条・武田の提携によって武田勝頼の継室として嫁ぐ
子はもうけなかったが、武田氏の没落に殉じ、天目山の麓付近で勝頼および先妻の子・信勝らとともに自刃した。十九歳
武田八幡宮に武田氏の戦勝祈願の願文を残している

登場する本
武田勝頼の正室(つま)


玄広 恵探 げんこうえたん
今川氏親の四男。側室の子。福島正成の孫。幼名・幸寿丸。安王丸。今川義元の兄にあたる
幼少時に遍照光寺に入った
今川氏輝の死後に、福島正成の後押しで家督相続に動き今川義元と戦うが敗死した

登場する本
宵待の月(脇役)
主人公:*深見半兵衛


顕如 けんにょ (顕如光佐)
本願寺十一世。証如の長男。幼名は茶々。諱は光佐。諡号は信楽院。妻は三条公頼の娘・如春尼で姉が武田信玄の妻
門徒による一向一揆の掌握に務め、武家や公家との縁戚関係を深め、石山本願寺を拠点とした畿内における領主権力を形成
教団の最盛期を迎えたが、上洛を果たした織田信長と対立し全面衝突(石山合戦)し、二度の和睦をはさみながら十年間戦った
その間に将軍・足利義昭と組んで、武田・朝倉・浅井・毛利氏などの反織田勢力と同盟して信長包囲網の構築
天下布武を目指す信長を散々に悩ませたが、武田信玄が没し、浅井・朝倉が滅び、毛利氏が海戦で織田家に敗れた後は
天皇の詔により和議し紀伊・鷺森に退く。信長の死後に和泉・貝塚の天満に移り大僧正に任ぜられた
その後豊臣秀吉から京都移転を命じられ、京都堀川七条に移って本願寺教団を再興した

登場する本
信長が宿敵 本願寺顕如

火焔浄土
脇役:織田信長


鴻池 新右衛門 こうのいけしんえもん
山中鹿之介の子。鹿之介の兄の子ともいわれる。幼名・新六
黒田幸隆の養子となり別所長治に仕えた。別所家が滅びた後は摂津・鴻池村で商人となる
酒造を始め清酒を開発し江戸で成功して鴻池家の始祖となった
鴻池家は現在のUFJ銀行のもととなった三和銀行

登場する本
清酒日本助
(「柳生但馬守」収録)
脇役:奈佐日本之助


豪姫 ごうひめ
宇喜多秀家の正室。前田利家の四女。母は芳春院。備前御方・南御方・樹正院
幼少時から羽柴(豊臣)秀吉の養女として正室・高台院に養育され、のちに同じく秀吉の養子となっていた秀家に嫁す
備前御方または南御方と称され二男一女をもうける
関ヶ原合戦後、秀家は男子二人とともに八丈島に配流
豪姫は一女を伴って金沢に戻った

登場する本
豪姫夢幻

閉ざされた海 中納言秀家夫人の生涯


小少将 こしょうしょう
越前・朝倉家譜代の家臣・斎藤兵部少輔の娘。義景の次男・愛王丸の母
少女のころからその美貌は際立っており、気立てもよく同情心にも富んでいた
中川城主の子・堀江景安と内約が調っていたが、朝倉義景に請われ側妾にあがった
これに怒った堀江親子は反旗を翻し、籠城して善戦したが、義景の母の仲裁で堀江親子は能登へ退去した
義景の側妾になったのちは邪悪奸佞な女人に変化し、御国を傾け御家を滅ぼした悪女といわれた
朝倉家滅亡後に捕らえられ、義景の母、愛王丸とともに斬首された

登場する本
小少将の墓は何処ぞ
(「無惨や二郎信康」収録)
脇役:朝倉義景


後藤 庄三郎 ごとうしょうざぶろう (後藤光次)
後藤庄三郎光次。旧姓橋本。橋本利徳の子。江戸初期の金工で京都金吹座・後藤徳乗の手代。のちに徳乗の養子となる
徳川家康に江戸へ招かれ判金鋳造に従事。家康の家臣となり御金改役を務め駿府の金座・銀座を支配
「駿河墨書小判」などを発行して、大御所会計の出納長として活躍した
大阪冬の陣では大野治長らとの講和を討議。大阪落城後は城中の金銀の接収・点検を行う
その後江戸に銀座を開き、「銀座」の名を残した

登場する本
黄金の華
脇役:徳川家康


近衛 前久 このえさきひさ (近衛前嗣)
五摂家筆頭近衛家の当主。近衛稙家の子。妹が将軍足利義輝の妻
関白・左大臣に任ぜられ、晴嗣・前嗣・前久の順に改名し後に龍山を称す
越後に下向し長尾景虎(後の謙信)と共に北条氏と戦う
正親町天皇の即位の礼費用を献上させるために毛利元就とも交渉した
足利義輝と公武一体の復興を目指し、義輝が討たれると足利義昭擁立に奔走
後に織田信長と組んだ義昭と対立して関白職を罷免され出奔。しかし和解し信長の天下布武に貢献した
本能寺の変後出家して徳川家康を頼る。その後京に戻り豊臣秀吉の関白就任に奔走
晩年は子の近衛信伊(信基)と所領問題で不和となり失意のうちに歿した

登場する本
神々に告ぐ
脇役:松永久秀足利義輝

信長燃ゆ(脇役)
主人公:織田信長

峻烈(脇役)
(「忠直卿御座船」収録)
主人公:織田信長

流浪の戦国貴族近衛前久


小松姫 こまつひめ
徳川四天王の一人・本多忠勝の長女。幼名・稲姫。徳川家康の養女となって真田信幸の妻となった
豊臣秀吉の命による政略結婚であったが、よく夫に仕え円満な日々をおくった
賢婦の誉れ高く徳川家の実体をよく夫に伝え、関ヶ原以後は江戸に長く滞在した

登場する本
本多忠勝の女
(「真田軍記」収録)
脇役:真田昌幸

真田信之の妻
(「さむらいの巣」収録)
脇役:真田信之


後水尾 天皇 ごみずのおてんのう
後陽成天皇の第三皇子。母は近衛前子。父の譲位により即位
将軍・徳川秀忠の娘・和子を女御として、三皇女・二皇子をもうけた。
後紫衣事件などの幕府による朝廷干渉に反発。突如として興子内親王(明正天皇)に譲位
その後五十二年間の院政を敷いた

登場する本
後水尾天皇

後水尾天皇―千年の坂も踏みわけて

花と火の帝
主人公:*岩介



沙也可 さやか (金忠善)
加藤清正の家臣で文禄の役で朝鮮側に身を投じて活躍した降倭武将といわれる
鉄砲を初めて朝鮮に伝えたほか数々の武功をたて、国王から金忠善の姓名を賜った
その後も女真族による甲子変・丙子胡乱にも活躍し、官位は正憲大夫(正二品)に達した
しかし日本側に記録はなく、もともと日本人ではないという説や阿蘇宮越後守・岡本越後守・原田信種であるなど諸説があり不明

登場する本
沙也可
脇役:加藤清正小西行長



*猿飛 佐助 さるとびさすけ
『立川文庫』に登場する架空の人物
信州・鳥居峠に住む鷲塚佐太夫の息子
甲賀忍者・戸沢白雲斎の教えを受けて技を受け継ぐ
その後真田幸村に出会い仕え神出鬼没の大活躍をしたことになっている
豊臣と徳川に不穏な気配があったとき、幸村の命で清海入道と連れだって天下の情勢を窺うための諸国漫遊の旅に出る
徳川家康のいる駿府城や徳川秀忠のいる江戸城に忍び込み徳川方の内情を探った
また京都で石川五右衛門と術比べをした
大坂夏の陣の後、幸村とともに薩摩に落ちた

登場する本
異形の者
脇役:*丹波・細川忠興

真田残党奔る
脇役:*柳生新太郎・柳生宗矩

真田大戦記
脇役:伊達政宗上杉景勝

真田幸村 真田十勇士
(脇役)
主人公:真田幸村

猿飛佐助 真田十勇士
脇役:霧隠才蔵岩見重太郎

名古屋山三郎(脇役)
(「柳生但馬守」収録)
主人公:名古屋山三郎

花と火の帝
主人公:*岩介

風神の門(脇役)
主人公:霧隠才蔵


三条ノ方 さんじょうのかた
左大臣・三条公頼の娘。姉は菅領・細川晴元の妻。妹は本願寺顕如の妻
武田信玄の正室となり、信玄の嫡男・武田義信を生んだ
とても嫉妬深く側室達をいじめたといわれるが、史実にはそのような事実はなかった

登場する本
武田信玄夫人 皇女・三条華子

信玄の正室

信玄の妻―円光院三条夫人


寿桂尼 じゅけいに
中御門宣胤の娘、今川氏親の妻。今川氏輝・今川義元の母
父の関係で京から三条実望、冷泉為和、山科言継らの公家が下向し、当時の駿府は小京都と呼ばれるほど文化的に発展した
氏親が病に倒れると、その病床で国政を受け持ち「今川仮名目録」の作成に携わった
氏親没後に出家して寿桂尼と称し、氏輝を後見し政務に携わる
氏輝の没後は義元擁立に尽力。義元が家督相続後にも補佐をして領国経営にあたる
そのとき各種の文書に印判を使い発給している。このため「女戦国大名」と呼ばれた
桶狭間で義元が討たれると孫の氏真も補佐したといわれる

登場する本
姫の戦国
脇役:今川義元太原雪斎


信松院 しんしょういん (武田松姫)
武田信玄の六女。武田松姫。母は油川氏
七歳で織田信長の嫡男・奇妙丸と結納を取りかわすが、織田家と手切れとなり婚姻には至らなかった
信玄の死後は兄の仁科盛信の信州・高遠城に身を寄せる。織田軍の高遠攻めで脱出し八王寺・心源院に逃れた
本能寺の変後に婚約者・信忠の死を知り、髪を下ろし信松尼と称した
徳川家康の家臣となった武田の旧臣・大久保長安の援助で八王子信松院を建立した

登場する本
信松尼

さくらの城
脇役:織田信長

本能寺の変と武田松姫―上杉屏風が解き明かす戦国史の真相

真田幸村(脇役)
主人公:真田幸村


末次 政直 すえつぐまさなお (末次平蔵)
貿易商人で長崎代官。博多の豪商・末次興善の次男。通称・平蔵。キリシタンで洗礼名ジョアン
長崎に移住し、朱印船貿易で安南・シャムなどと貿易を行った
のちに長崎代官となる。これにより棄教して、キリシタンの弾圧を激しく行なった
タイオワン事件(オランダ東インド会社の長官ピーテル・ノイツとの間で起きた紛争)を起こし、江戸の牢獄に幽閉される
その後幕臣により斬殺された

登場する本
黄金旅風


杉谷善住坊 すぎたにぜんじゅうぼう
甲賀五十三家の一人・杉谷与藤次の子、近江の国に善住坊ありと知られた火縄銃の名手
六角義賢に仕え、義賢の命で浅井長政の裏切りにより撤退する織田信長を千草峠で待ち伏せし狙撃した
しかし失敗し、近江高島郡に潜伏、織田家の配下・磯野員昌によって捕らえられ、岐阜において鋸引で処刑された

登場する本
ふたつ玉(「弾正の鷹」収録)

信長を撃いた男
脇役:*蒲生典膳・織田信長



諏訪御料人 すわごりょうにん
武田晴信(信玄)の義弟・諏訪頼重の娘。母は小笠原長時の家臣・小見氏の娘。武田勝頼を生んだ。本名は不明
武田信虎が娘の祢々を頼重に嫁がせると、代わりに諏訪姫を人質として引き取った
信虎が息子・晴信に追放され、父・諏訪頼重が滅ぼされたのちに、晴信の側室となった
そして勝頼を産んだが、病身となって諏訪に帰り療養のかいなく病死したという

登場する本
諏訪御料人
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:武田信玄

小説 信玄と諏訪姫

諏訪御寮人―武田勝頼の母


盛徳院 せいとくいん (亀姫・加納殿)
徳川家康の娘。母は築山殿。徳川秀忠の異母姉。亀姫
武田勝頼が長篠城に攻め寄せたときに撃退した奥平信昌に、織田信長の命で輿入れする
その後信昌・その子家昌が没すると、幼少で孫の千福が家督をついだが、実質的には家中を切り盛りした

登場する本
加納殿の復讐
(「槍弾正の逆襲」収録)
脇役:本多正純


千道安 せんのどうあん
茶人。千利休の長男。母は宝心妙樹。紹安
父に茶の湯を学び、その実力は大いに認められたが、足が不自由であったといわれる
利休の没後は一時京を離れて晩年は堺に住み、堺の千家の中心にあったと思われる
また細川三斎から知行をうけている
茶室の客畳と点前座の間に袖壁を設けた道安囲はその創意になるものと伝えられる

登場する本
千道安


千姫 せんひめ
徳川秀忠お江の長女。二歳のとき豊臣秀吉の命で豊臣秀頼と婚約
秀吉の没後に七歳で秀頼に嫁ぎ大阪城に入った
大坂城内では淀殿から敵方の娘として扱われ、不自由な生活を送った
大坂の陣で大阪城が落城する前に徳川家に戻った
その後桑名城主・本多忠政の子・本多忠刻と再婚。その間、千姫を助けた坂崎直盛の強奪事件が起こった
長女・勝と長男・幸千代を産むが、幸千代は三歳で没し、忠刻も病死した
江戸に戻り出家して天寿院と号す。江戸城内竹橋に屋敷をもらい、五百石が下され余生を過ごした

登場する本
花開く千姫

千姫
 松本幸子著
千姫
 村上元三著
千姫絵姿

千姫狂乱

千姫様

千姫春秋記

千姫微笑

(脇役)
主人公:お市淀の方春日局

千姫
(「戦国の妻たち」収録)


宗長 そうちょう
駿河の連歌師。号は柴屋軒。鍛冶屋・五条義助の子
今川義忠に仕えたが義忠没後に京の連歌師・宗祇の門弟となり連歌を学ぶ
宗祇に同行して各地を廻り、宗祇死後は今川氏親の庇護を受ける
甲斐・武田信虎と今川氏親との講和に貢献した
著作は句集「那智篭」、日記「宗長手記」・「宗長日記」があり、そのほか「東路の津登」、「宇津山記」、「宗祇終焉記」がある

登場する本
戦国を往く連歌師宗長


二千人返せ
(「難儀でござる」収録)(脇役)
主人公:甘利虎泰


宗牧 そうぼく
連歌師・宗長の高弟。宗養の父。堺出身で姓は谷。号は孤竹斎
六角堂専順に学び、松永貞徳の師となった。徹書記流の書の達人でもある

登場する本
戦国連歌師(脇役)
主人公:*友軌


曽呂利 新左衛門 そろりしんざえもん
堺の鞘師。豊臣秀吉の御咄衆。知恵袋ともいわれた
彼の鞘にはソロリと刀が収まったことからこう呼ばれたという
茶道や香道も一流で、茶は千利休の師匠・武野紹鴎に学び、香道は名人・志野宗心に習った
実在したかどうかははっきりしていない

登場する本
秀吉の知恵袋 曽呂利新左衛門


曾呂利新左衛門

曾呂利新左衛門
(「柳生但馬守」収録)
脇役:真田幸村

曾呂利新左衛門
(「柳生但馬守」収録)
脇役:真田幸村


太原 雪斎 たいげんせっさい (九英承菊・太原崇孚)
臨済宗の禅僧で駿河・今川義元の軍師
駿河・今川氏親の重臣・庵原氏の出身で、左衛門尉之秀の子といわれる。母は今川水軍の将・興津藤兵衛の娘
京の建仁寺霊泉院で常庵竜崇について修行し九英承菊と称す
のちに梅岳承芳と名乗っていた方菊丸とともに妙心寺に移り、大休宗休和尚より印可を授けられて太原崇孚と称した
梅岳承芳が家督相続し今川義元となったとき、氏輝の菩提寺・臨済寺の住持となり、寺内に雪斎という庵室を構えたため、太原雪斎と呼ばれるようになった
義元の軍師となり「黒衣の宰相」と呼ばれ、「甲相駿三国同盟」をまとめたといわれる
第二回の小豆坂合戦では織田信秀を破り、翌年安祥城を攻めて織田家に捕らえられていた松平竹千代(徳川家康)を駿府へ連れ帰った

登場する本
しょんべん小僧竹千代
(「難儀でござる」収録)(脇役)
主人公:朝比奈備中守

戦国幻野(脇役)
主人公:今川義元

太原雪斎と今川義元

姫の戦国(脇役)
主人公:寿桂尼


沢彦 宗恩 たくげんそうおん
臨済宗妙心寺派の禅僧。織田信長に思想面で影響を与えたといわれる
信長の傅役・平手政秀が自刃したあとの菩提を弔うために建立した政秀寺の開山として招かれた
天下布武の印判文字や岐阜への改称も沢彦の意見といわれる

登場する本
沢彦
脇役:織田信長



千々石 ミゲル ちぢわみげる
天正遣欧少年使節の一人。千々石直員の子。有馬晴信の従弟(一説に甥)で大村純忠の甥という。通称・清左衛門
アレッサンドロ・ヴァリニャーノの勧めで、有馬氏・大村氏の計画したローマ教皇への使節の一員に選ばれる
伊東マンショ・中浦ジュリアン・原マルチノとともに長崎を出発し、ヨーロッパに至り、教皇グレゴリオ十三世に謁見
出発から八年後に帰国。豊臣秀吉に謁見し、地球儀・時計・印刷機・測量機などを献じ、ヨーロッパの事情を説明した
イエズス会士となったが、のちに棄教し、逆にキリスト教徒を迫害したと伝えられる

登場する本
天正遣欧使節千々石ミゲル


千々石ミゲルの墓石発見―天正遣欧使節



千代 ちよ
土佐藩初代藩主・山内一豊の妻。一豊の死後に出家して見性院(けんしょういん)と称した
父は浅井久政の家臣・若宮喜助友興。一説には郡上八幡城主・遠藤盛数が父ともいわれる
幼少で父が戦死し、その後母も病死したため、母の妹の嫁ぎ先である不破重則に養われた
針の業(裁縫)や行儀作法を習いにいっていたとき、先生である法秀院(山内一豊の母)に請われて一豊と結婚した
夫のために駿馬を買い求めた話は、内助の功のお手本として語り継がれる
関ヶ原では大坂勢の動向を一豊に知らせた
聡明で機知に富み、困難に対処する勇気を持っていた女性で「一豊の妻」とは夫を出世させる賢妻の代名詞となっている
千代紙を考案者ともいわれる

登場する本
一豊と千代

功名が辻
脇役:山内一豊

三番手の男―山内一豊とその妻

千代
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:山内一豊

山内一豊と妻千代―「土佐二十四万石」を築いた夫婦の物語

山内一豊の妻

吼えろ一豊(脇役)
主人公:山内一豊


山内一豊(脇役)
主人公:山内一豊


山内一豊―運を呼びこむ生き方(脇役)
主人公:山内一豊



築山殿 つきやまどの (瀬名姫)
徳川家康の正室。今川家の臣・関口親永の娘。今川義元の姪。名は瀬名姫
松平竹千代(のちの家康)が今川家の人質として駿府に住んでいたときの後見役が瀬名の父・親永 竹千代元服の際の烏帽子親となった
そして二年後に義元の命で松平元康と結婚し、長男・徳川信康と長女・亀姫を産んだ
しかし桶狭間の戦い後に元康が岡崎で独立し、織田信長と同盟を結んだため、駿府で人質状態となる
父はその責任をとって自害させられ、のちに瀬名と子たちは人質交換で岡崎に引き渡された
岡崎では築山という場所に館を建てて住み築山殿と呼ばれるようになる
嫡男・信康の妻である信長の娘・徳姫とは仲が悪く、徳姫に男子がなかったので信康に武田の家臣・日向昌時の娘を妾としてあてがい、信康と徳姫の離間しようとする
のちに徳姫によって、父・信長に武田勝頼へ内通していると訴えられ、家康の命で小藪村で殺された

登場する本
影武者淫法帳―二人の家康

戦国無情 築山殿行状

築山殿
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:徳川家康

築山殿無残

月を吐く
脇役:*高橋広親徳川家康

信康自刃(脇役)
(「天目山の雲」収録)
主人公:徳姫



遠山景遠の妻 とおやまかげとおのつま
織田信長の叔母。名は正確には伝わっていない。東美濃・岩村城主・遠山景任の妻となる
景任が戦の傷がもとで病死した後、信長の五男・御坊丸を養子として向かえた
しかし武田家の臣・秋山信友に攻められ自分が妻になることで降伏する。後に織田信忠に攻められ降伏
信長の命で信友とともに逆さ磔となった

登場する本
非情の城―戦国女城主秘話



徳川 和子 とくがわまさこ (東福門院)
後水尾天皇の中宮。徳川秀忠の八女または五女といわれる。院号は東福院門
十四歳で入内し、のちの明正天皇となる皇女を生んだが、2皇子はすべて早世する
のちに夫と別の女性との間に生まれた後光明天皇を養子として明正天皇の後継者とした
その後、夫・後水尾天皇と対立する実家の江戸幕府の間を取り持つことに奔走する
後光明天皇の崩御直後、その弟の即位を渋った幕府を説得して、後西天皇即位を実現させたといわれる
文化的にも貢献し、宮中に小袖着用の習慣を持ち込み、のちに「寛文小袖」と言われるようになった
また押絵を得意とし、和子作の日本現存最古の押絵が現存している

登場する本
徳川和子



徳姫 とくひめ (五徳)
織田信長の娘。幼名・五徳。母は側室の生駒氏で織田信忠と同腹
徳川家康の同盟時に家康の嫡男・徳川信康の妻となり二女を産んだ
姑・築山殿との確執から父・信長に夫と姑の不満を書いた手紙により、築山殿は殺害され信康は自刃した
これは彼女の書状を利用した信長の策略とも考えられているが定かではない
その後一時実家に戻ったが、小牧・長久手の陣後の講和の際、徳川方の人質として織田信雄から羽柴秀吉のもとに送られた
のちに兄・信雄に養われ、信雄失脚後は家康に養われた、晩年は京で過ごし七十八歳で没した

登場する本
信康自刃
(「天目山の雲」収録)
脇役:築山殿岡崎信康


土田 御前 どだごぜん
土田秀久の娘。織田信秀の正室。織田信長・信行の母
勘十郎信行を溺愛し家臣と謀って信長を排斥しようと画策。しかし信行が信長に敗れると信行の赦免を申し出て許された
その後再度謀反を画策して信行が殺されると信長に引き取られた
本能寺の変では蒲生賢秀に助けられ、その後は織田信雄のもとで暮らし、信雄改易後は織田信包のもとで暮らした

登場する本
乱世の花―織田信長と土田御前

信長の母土田御前


とも (日秀)
豊臣秀吉の同腹の姉。豊臣秀次の母。三好吉房に嫁いだ
豊臣秀次・秀勝・秀保を生んだ
弟の秀吉に自害させられた秀次の供養のために瑞龍寺を建立。剃髪して日秀と号す
北政所が没した翌年に九十三歳で亡くなった
登場する本
影の系譜 豊臣家崩壊
脇役:豊臣秀吉三好吉房


長曽祢 興里 ながそねおきさと (長曽祢虎徹)
近江の刀鍛冶。虎徹は入道名。はじめは古鉄、のちに乕徹とも称す
近江に生まれ、関ヶ原の戦いで佐和山城が落城したため金沢に移り、甲冑の名工として知られた
需要が減った甲冑師から、刀鍛冶となるために江戸へ移ったのは五十歳を超えてからといわれる
刀鍛冶としての師匠は、和泉守兼重といわれている
長曽祢一族は甲冑鍛冶集団であり、一門に才一、興寛、三右衛門利光、播一山、助七などがいる
また、虎徹の一門には、二代目長曽禰興正、興久、興直などがいる

登場する本
いっしん虎徹
脇役:圭海



中村 正清 なかむらまさきよ
巨勢孫兵衛正義の子。大和の工匠の名家・中村家の養子となる。中村大隈掾正清
松永久秀の信貴山城の整備に貢献し、日本初の天守閣を築いたといわれる
のちに織田信長の安土城築城も指揮したという
その後も大坂城、高取山城、淀城を築城。朝鮮の役では渡海し、異国の城を研究する
大坂の陣ののち、再建にも従った

登場する本
安土城の鬼門櫓
(「古城物語」収録)


奈多夫人 なたふじん (イザベル)
大友宗麟の二番目の妻。奈多八幡宮の大宮司・奈多鑑基の娘。兄は武蔵田原家の養子となった田原紹忍
名前は不明で宣教師からイザベルと呼ばれていた
宗麟のキリスト教布教容認から対立し、離縁を申し渡され狂ったといわれる
バテレン宣教師からは大悪女のレッテルを貼られた

登場する本
火炎城(脇役)
主人公:大友宗麟

豊後の王妃イザベル キリシタン大名大友宗麟の妻

花の反乱 大友宗麟の妻


南光坊 天海 なんこうぼうてんかい
出自不明。各地の寺を遊学し無量寿寺の北院の住職・豪海に師事し、師の没後後継ぎ住職となる
その後徳川家康に駿府へ招かれ、以後家康の顧問的な存在となり「黒衣の宰相」と呼ばれる
家康の命で関東・天台宗寺院を支配する立場になる
家康死後、その祀られ方で金地院崇伝らと論争し勝利した

登場する本
地の日 天の海

天海

天海 徳川三代を支えた黒衣の宰相

黒衣の宰相(脇役)
主人公:以心崇伝



濃姫 のうひめ (帰蝶)
美濃・稲葉山城主・斎藤道三の娘。帰蝶。安土殿
織田信長の妻。美濃の姫から一般に濃姫と呼ばれる。二人の間には子はない
斉藤道三と織田信秀が数年来争った末に和議が成立。その証として道三の娘が信秀の嫡男・信長に嫁ぐことになった
信長に嫁いだ後の記録がほとんどないため、その生涯はほとんどわからない
嫡男の織田信忠(母は生駒氏)が生まれたころは既に没していたという説と、本能寺の変で信長とともに死んだという説がある

登場する本
濃姫のひざまくら


宿曜師濃姫と信長

織田信長(脇役)
主人公:織田信長


流星(脇役)
主人公:お市の方

異形の城(脇役)
主人公:明智光秀



長谷川 等伯 はせがわとうはく
画家で長谷川派の祖。能登七尾で生まれ本姓は奥村と伝えられる。はじめ又四郎信春。法眼
養父の宗清(法号は道浄)と同じく雪舟系の等春から画法を得たという
京都本法寺に伝存の史料から、等伯と信春は同年生まれで同一の父をもつことから同一人物であるといわれる
狩野派を学び、等伯を号し、雪舟五代を自称して狩野派とは一種異なる豊潤な画風を開いた
水墨・濃彩の数々の遺作のうち、「松林図屏風」は日本的水墨画の典型的名品として知られる
そのほか「枯木猿猴図」「猿猴・竹林図屏風」なども有名

登場する本
松林図屏風



八条宮智仁親王 はちじょうのみやとしひとしんのう (瓜見ノ宮)
誠仁親王の子。母は勧修寺晴子。後陽成天皇と同腹の弟。幼名・古佐丸
今出川晴季の斡旋で豊臣秀吉の猶子となる。元服して智仁親王
秀吉に実子・鶴松が生まれて猶子を解かれる。独立した八条宮家を立て三千石の領地を得る
関ヶ原の折、東軍に包囲された細川幽斎の窮地を救う
後陽成帝が八条宮に譲位をしようとすると徳川家康に反対され、後陽成帝は帝位を保つ
その後桂離宮を作った

登場する本
八条宮
 (「豊臣家の人々」収録)
脇役:豊臣秀吉


浜田 弥兵衛 はまだやへえ
長崎代官・末次平蔵が台湾に派遣した朱印船の船長。望遠鏡や眼鏡を日本に伝えた人物
オランダの台湾長官・ピーテル・ノイツを出し抜き、先住民一行を台湾からの朝貢使に仕立てて江戸へ送ったため、江戸ではノイツらを正式な使節として認められず、将軍との謁見も拒否されなかった
しかし台湾に戻ってきた時にノイツに船員を拘束され、将軍からの賜品も没収された
このため約百七十人の手勢で長官府を襲撃して占領。ノイツらを拘束した
オランダとの交戦状態となり、日本の鎖国につながっていくことになる

登場する本
台南始末
 (「弓は袋へ」収録)


幡随院 長兵衛 (ばんずいいんちょうべえ)
江戸初期の町奴白束組の首領。侠客の元祖。実名は塚本伊太郎。父は塚本伊識
父は唐津の波多家に仕えていたが、波多家が豊臣秀吉の不興を買い断絶
伊織は浪人し江戸へ向かったが下関で病没。または江戸に着いてから病死したともいう
伊太郎は男伊達として顔を売るようになり任侠の男伊達として評判になる
神田山幡随院で育ったため、幡随院長兵衛と呼ばれた
口入れ業者の山脇惣右衛門の娘・お金を女房としたため、口入れ屋を営んだ
江戸の侠客の総元締めとなり、庶民の英雄であった幡随院長兵衛の生き様は現在も歌舞伎や講談で演じられている
旗本・水野十郎左衛門に殺害された

登場する本
侠客
脇役:水野十郎左衛門


旗本奴一代(脇役)
主人公:水野十郎左衛門



日野富子 ひのとみこ
八代将軍・足利義政の正室。九代将軍・足利義尚の母。
息子・義尚と養嗣子・足利義視との後継者争いで山名宗全を頼る。これが応仁の乱のきっかけとなった
乱の最中は政治に関与し、蓄財にも励み絶大な権力を振るった
夫・義政や子の義尚が没した後は出家したが、なお幕政に絶大な影響力を保持
足利義視の子・足利義稙や足利義政の末弟・堀越公方・足利政知の子・足利義澄を将軍につけたりした

登場する本
銀の館

日野富子
(「悪人列伝」収録)
脇役:足利義政



風魔 小太郎 ふうまこたろう
北条家の忍者・風魔一党の頭領の代々の名前。本姓は風間。もと高麗の民族といわれ北条氏の乱波となったという
最も有名なのは北条氏政・氏直に仕えた五代目風魔小太郎。武田勝頼との抗瀬川の戦いで攪乱作戦を行って活躍した
身長七尺二寸(約216Cm)筋肉隆々、目はつり上がり、口は大きく裂け、牙が四本突き出ていたといわれる
北条家が滅亡すると江戸近辺を荒らし回る盗賊に成り下がり、のちに徳川家に捕らえられて処刑された

登場する本
風魔
脇役:氏姫徳川家康


早雲の軍配者
脇役:伊勢宗瑞*四郎左


冬姫 ふゆひめ
織田信長の次女。蒲生氏郷の妻。蒲生秀行の母。娘は前田利政の妻となっている
氏郷が没すると子の秀行が会津から宇都宮十二万石に減封、移封されたためそれに従った
関ヶ原の戦いで東軍に与した秀行の功により会津六十万石に復帰する
しかし秀行が三十歳で、家督をを継いだ冬姫の孫・蒲生忠郷は二十五歳で死去
忠郷の弟・蒲生忠知が家督を継ぎ、会津から伊予・松山藩二十万石へ減移封された
忠知も早世し、嗣子がなかったために蒲生氏は断絶となった
冬姫はその間子や孫を補佐し、八十一歳で死去。法名・相応院月凉心英

登場する本
蒲生氏郷の妻



フランシスコ・ザビエル
スペインのイエズス会宣教師。イエズス会創立者の一人
アジアへ布教するために宣教師として派遣され、ゴア、コーチン、セイロン、マラッカをわたる
マラッカで日本人のヤジロウに出会って日本に渡った。主に薩摩、周防、豊後に滞在し布教を行う
日本を後にした中国・広東に近い上川島で没した

登場する本
ザビエルとその弟子

遙かなるザビエル



細川ガラシャ ほそかわがらしゃ (玉)
明智光秀の三女。名は玉。織田信長の命で細川藤孝の嫡子・細川忠興に嫁ぐ。
子に長女・長と長男・忠隆、次男・興秋、三男・忠利
本能寺の変のとき、謀反人の娘として細川忠興から離別され、丹波・味土野に幽閉される
二年後に豊臣秀吉の計らいで復縁。その後キリシタンとなり、洗礼名をガラシャとする。そのため仏教徒の夫との不和を招いた
関ヶ原前の石田三成挙兵のときに人質となることを拒否。大阪玉造の細川屋敷を取り囲まれる
キリスト教は自殺が禁じられているので、家老の小笠原少斎に命じて自らの命を絶った

登場する本
胡桃に酒
(「故郷忘じがたく候」収録)
脇役:細川忠興


朱なる十字架

細川ガラシャ
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:細川忠興

細川ガラシャ夫人

異形の者(脇役)
主人公:*こぶ

細川忠興(脇役)
主人公:細川忠興



前田 千世 まえだちよ (春香院)
前田利家とまつの六女。前田利長の実妹。細川忠興の嫡男・細川忠隆の妻となる
関ヶ原の戦い前に石田三成が挙兵した際、義母・ガラシャとともに自害しなかったことが原因で離縁された
前田家に戻り、のちに村井長頼の子・村井長次に再嫁した
長次との間に子がなく、織田長孝の子・長光を養子とした。長次の死去後に落飾し春香院と号した

登場する本
千世と与一郎の関ヶ原(脇役)
主人公:細川忠隆



まつ (芳春院)
織田信長の弓頭・篠原主計が父。高畠直吉が父という説もある。母は前田利家の母の姉
父の死去後、前田家に引き取られる。前田利家と結婚し、前田利長・利政ら2男9女をもうけた
利家の死後、出家して芳春院と称す
関ヶ原前に前田家の人質として江戸・徳川家康のもとに赴き、息子・利長の窮地を救った
十四年の人質の後、金沢に戻り没す

登場する本
加賀芳春記 ある逆臣の生涯(脇役)
主人公:片山延高
関ケ原決戦

利家とまつ
主人公:前田利家
脇役:織田信長豊臣秀吉

まつ
(「戦国の妻たち」収録)
脇役:山内一豊


妙玖 みょうきゅう
毛利元就の妻。小倉山城主・吉川国経の娘。母は高橋直信の娘
毛利隆元、吉川元春小早川隆景を生んだ
元就との仲はとてもよく、元就は妙玖生存中は側室をもうけなかった
天文十四年に四十七歳で病死した。法名を成室妙玖

登場する本
山霧
脇役:毛利元就


施薬院 全宗 やくいんぜんそう
京都の医師。丹波姓を称す。宗忠の子
もとは比叡山の僧で、織田信長の焼討事件で還俗。曲直瀬道三について医術を修め、豊臣秀吉の侍医となって近侍
その推挙を得て朝廷から施薬院使に任じられ、施薬院と改姓。千二百石を領し、比叡山復興に尽力
朝鮮派兵に際しては秀吉に従い肥前・名護屋に出陣した

登場する本
全宗
脇役:曲直瀬道三豊臣秀吉



山科 言継 やましなときつぐ
公卿。山科言綱の子
永正十七年従五位上・内蔵頭に任じ、天文七年参議。永禄十二年権大納言。天正二年に正二位に昇った
内蔵寮頭・御厨子所別当として皇室経済の維持に努めた
尾張の織田信秀のもとで蹴鞠をして見せたり和歌を伝授し、以来織田一門と大いに意を通じた
また、故実・音楽に通じ、その日記「言継卿記」は戦国期の貴族の貴重な史料として名高い
登場する本
信長を口説く七つの方法
(「難儀でござる」収録)
脇役:佐藤入道


李 舜臣 りしゅんしん (イスンシン)
李氏朝鮮の水軍の将。開城で生まれた
壬申倭乱(日本では豊臣秀吉の朝鮮出兵)の際、全羅左水使であったが、慶尚右水使元均の救援要請をうけて出陣
亀甲船を使い日本水軍を散々に破り、全羅道以西への侵攻を阻止した
その功績で忠清・全羅・慶尚三道の水軍統制使を兼ねて朝鮮水軍を統括する
しかし日本軍再派兵前に元均の讒訴を受け牢獄された
その後、元均が巨済島の海戦で戦死したため統制使に復帰し、日本水軍を破って全羅道海域の制海権を奪回する
秀吉の死により撤退する日本軍を追撃したが、露梁海戦で島津軍と戦い戦死した

登場する本
高麗秘帖
脇役:*柚姫*忍羽部翔一郎

孤将 蓮池 薫 (翻訳)


智将李舜臣龍と伝説


呂宋 助左衛門 るそんすけざえもん (納屋助左衛門)
堺の豪商。納屋助左衛門。実在したかどうかなど、詳細は不明の人物
呂宋(フィリピン諸島)で珍奇の貨物を仕入れ、堺代官・石田正継を通して豊臣秀吉に献上
特に壺は公家・武将の間で重宝され、競い合って買い求めるようになり巨万の富を得た
後に秀吉の怒りに触れ、カンボジアへ逃れた。国王に信任されこの地で没したという

登場する本
海の稲妻

黄金の日日


列堂 義仙 れつどうぎせん (柳生列堂)
柳生宗矩の六男。幼名・六丸
早くに出家して柳生家の菩提寺・芳徳禅寺の住職となった。号は烈堂
数々の小説で裏柳生の総帥として全国各地の藩に密偵を配し、諸大名が幕府に叛意を抱かぬように監視したと描かれている

登場する本
剣法正宗溯源
(「十兵衛両断」収録)
脇役:*柳四厳

柳生烈堂―開祖・石舟斎を凌いだ無刀の剣
脇役:*大中臣真人

柳生烈堂 血風録―宿敵・連也斎の巻

柳生烈堂―十兵衛を超えた非情剣

柳生烈堂―対決 服部半蔵

柳生烈堂 秘剣狩り


蓮如 れんにょ
浄土真宗本願寺第八世宗主。第七世・存如の長男。本願寺教団を飛躍的に拡張した本願寺中興の祖
延暦寺との対立により京都東山にあった本願寺を破却され、越前・吉崎に本拠を定めて布教活動を行う
わかりやすい説教によって急速に信者を増やした
その後、京に本願寺、大坂に石山本願寺を建てた

登場する本
蓮如夏の嵐

蓮如と信長

蓮如 信仰で時代を動かした男

蓮如 戦略の宗教家


*印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人

インデックス 
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