異形の者 

異形の者―甲賀忍・佐助異聞
柳 蒼二郎
学研 2005-01


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天正三年五月、長篠の合戦場で産み落とされた赤子が、細川家子飼いの乱波・丹波に拾われる。その赤子はこめかみに大きなこぶを持つ異形の者であった。名も無き赤子は、ただ「こぶ」とのみ呼ばれる。酷薄非道な丹波は、こぶを飼う代償にその言葉を奪う。さらに、異形の身の中に忍びとしての天稟を見出した丹波は、過酷な試練をこぶに与え、己の奴撲として飼育した。こぶ、十三歳の時、篭の鳥の運命が動く。細川家当主忠興の直命によって、妻・玉子(ガラシャ)の警護の任についたこぶは、天井裏を這う者となる。女神の如き玉子の優しさにふれ、凍り付いたこぶの魂はゆっくりと溶かされていく。だが、そこに待っていたものは、あまりにも非業な運命だった…。第七回歴史群像大賞受賞作。


時代:1575年(天正三年)〜1600年(慶長五年)
著者:柳蒼二郎
出版:学研M文庫
発行:2005年1月


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 ■ 上総介の評価 ★★★★★

 細川家の忍び・丹波が拾い子・こぶに対する残忍非道の仕打ちがあまりにもむごい。作者の文章表現のうまさによるものでしょうか、背筋が寒くなるような感覚になります。次第に丹波を超えるようになるこぶに対し、思わず感情注入してしまう作品でした。第七回歴史群像大賞受賞作です。

 ■ 主人公
こぶ


 ■ 脇役
*丹波(たんば) 細川忠興(ほそかわただおき)
細川玉子(たまこ)

 ■ 登場する武将
細川藤孝(ほそかわふじたか) 小笠原秀清(おがさわらひできよ)
河北石見(かわきたいわみ) 金津正直(かなつまさなお)
豊臣秀吉(とよとみひでよし) 加藤清正(かとうきよまさ)
真田幸村(さなだゆきむら)


 ■ その他の登場人物
*白雲(はくうん) *お藤(おふじ)
清原いと(きよはらいと) *お霜(おしも)
*コスメ高井(こすめたかい)

*印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人

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