播磨灘物語

　播磨灘物語

播磨灘物語〈1〉
司馬遼太郎
講談社 2004-01

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黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。

播磨灘物語〈2〉
司馬遼太郎
講談社 2004-01

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官兵衛は信長に新時代が出現しつつあるというまぶしさを感じていた。「だからこそ織田家をえらんだ」のだ。信長に拝謁した官兵衛は、「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ秀吉に会う。秀吉は官兵衛の才を認め、官兵衛も「この男のために何かせねばなるまい」と感じた。ふたりの濃密な関係が始まった。

播磨灘物語〈3〉
司馬遼太郎
講談社 2004-01

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官兵衛を信長に取りついでくれた荒木村重が信長に謀反を起こし毛利についた。翻意させるべく伊丹を訪れた官兵衛は囚われてしまう。信長は官兵衛も裏切ったと錯覚し、子の松寿丸を殺せと命じた。竹中半兵衛の策で救われるが、官兵衛が牢を出た時は、半兵衛、既に病死。牢を出てからの官兵衛は身も心も変る。

播磨灘物語〈4〉
司馬遼太郎
講談社 2004-01

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信長が殺された。秀吉は「主の仇」光秀を山城山崎で討ち、その二年後には、豊臣政権を確立した。官兵衛は自分の天下構想を秀吉という素材によって、たとえ一部でも描きえたことに満足だっただろう。この戦国の異才が秀吉に隠居を許され、髪をおろし入道し「如水」と号したのは、四十八歳のときであった。

時代：永正年間～1604年（慶長九年）
著者：司馬遼太郎
出版：講談社文庫
発行：2004年1月

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■　上総介の評価　★★☆☆☆
黒田官兵衛の生涯を描いた大作です。全四巻という長い物語ですが、冗長の感があって最後まで読むのに大変苦労しました。おまけに四巻の後半まででやっと山崎の合戦。残りで官兵衛没まで流しています。司馬遼の中ではちょっとがっかりの作品でした。
■　主人公
黒田官兵衛（くろだかんべえ）

■　脇役
小寺藤兵衛（おでらとうべえ）	豊臣秀吉（とよとみひでよし）

■　登場する武将
黒田高政（くろたかまさ）	黒田重隆（くろだしげたか）
竹森新右衛門（たけもりしんえもん）	黒田職隆（くろだもとたか）
栗山善助（くりやまぜんすけ）	和田惟政（わだこれまさ）
足利義輝（あしかがよしてる）	大木サンチョ（おおきさんちょ）
細川藤孝（ほそかわふじたか）	足利義昭（あしかがよしあき）
荒木村重（あらきむらしげ）	高山右近（たかやまうこん）
武井夕庵（たけいせきあん）	安国寺恵瓊（あんこくじえけい）
別所賀相（べっしょよしすけ）	別所重棟（べっしょしげむね）
別所長治（べっしょながはる）	竹中半兵衛（たけなかはんべえ）
平塚為広（ひらつかためひろ）	三宅治忠（みやけはるただ）
別所吉治（べっしょよしはる）	別所治定（べっしょはるさだ）
櫛橋左京亮（くしはしさきょうのすけ）	吉川元春（きっかわもとはる）
吉川元長（きっかわもとなが）	小早川隆景（こばやかわたかかげ）
小西弥九郎（こにしやくろう）	加藤又左衛門（かとうまたざえもん）
母里太兵衛（もりたへえ）	徳川家康（とくがわいえやす）
中川瀬兵衛（なかがわせべえ）	荒木久左衛門（あらききゅうざえもん）
織田信澄（おだのぶずみ）	仙石権兵衛（せんごくごんべえ）
十河存保（そごうまさやす）	清水宗治（しみずむねはる）
蜂須賀小六（はちすかころく）	生石中務少輔（いくしなかつかさしょうゆう）
上原元将（うえはらもとすけ）	日幡六郎兵衛（ひはたろくろべえ）
＊佐柿弥右衛門（さかきやえもん）	＊吉田六郎大夫（よしだろくろうだゆう）
三沢為虎（みさわためとら）	＊宇多田小四郎（うただこしろう）
生駒甚介（いこまじんすけ）	末近信嘉（すえちかのぶよし）
堀久太郎（ほりきゅうたろう）	織田信孝（おだのぶたか）
丹羽長秀（にわながひで）	羽柴秀勝（はしばひでかつ）
明智光秀（あけちみつひで）	石田三成（いしだみつなり）
黒田長政（くろだながまさ）

■　その他の登場人物
＊圓満（えんまん）	ビレラ
＊お悠（おゆう）	浄金（じょうきん）
月清（げっせい）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人