宿敵
宿敵(上)
秀吉麾下の加藤清正と小西行長は好対照をなす武将であった。行長は海外貿易で繁栄を極めた堺の貿易商小西隆佐の息子であり「水の人」である。清正は尾張中村の鍛治屋の子、あくまで「土の人」である。堺の会合衆の富と政治手腕をうしろ楯に持つ行長と、徒手空拳、自分しか頼れなかった清正、両者は出発から違っていた。秀吉はみごとな近習操縦術で2人をきそわせる。しかし、武人と商人とは根底において手を握れない。やがてライバルは死闘を演じる宿敵となった。
宿敵(下)
大陸侵攻の戦は、すべてが徒労であった。怨みと不満は日本中に満ち、朝鮮は焦土と化して、飢えと寒さが民と兵を襲った。「何としてもこんな戦は止めさせなければならん。清正に先を越されてはならぬ」小西行長は才の限りをつくして、加藤清正を翻弄した。戦は終った、ついに太閤が死んだ。しかし1人の野望家が消えれば、新しい野心家があらわれ、また血みどろの戦いがくり展げられる。小西行長と加藤清正の宿命の対決はまだ終っていない。
時代:1582年(天正十年)〜1600年(慶長五年)
著者:
遠藤周作
出版:角川文庫
発行:1987年9月
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上総介の評価
★★★★☆
豪傑・加藤清正とそのライバルである小西行長を題材にした作品です。キリシタンだった行長を取り扱うのは、遠藤周作さんならではでしょう。賤ヶ岳の七本槍のひとり・清正と商人の子・行長。2人の憎悪の関係を通じて典型的な戦国武将のいかがわしさを描きます。
■
主人公
加藤清正
(かとうきよまさ)
小西行長
(こにしゆきなが)
■
脇役
豊臣秀吉
(とよとみひでよし)
石田三成
(いしだみつなり)
■
登場する武将
徳川家康
(とくがわいえやす)
福島正則
(ふくしままさのり)
加藤嘉明
(かとうよしあき)
黒田官兵衛
(くろだかんべえ)
蜂須賀彦右衛門
(はちすかひこえもん)
細川藤孝
(ほそかわふじたか)
細川忠興
(ほそかわただおき)
明智光秀
(あけちみつひで)
豊臣秀長
(とよとみひでなが)
山路将監
(やまじしょうげん)
高山右近
(たかやまうこん)
蒲生氏郷
(がもううじさと)
飯田覚兵衛
(いいだかくべえ)
森本義太夫
(もりもとぎだゆう)
柳川調信
(やながわしげのぶ)
宗義智
(そうよしとも)
鍋島直茂
(なべしまなおしげ)
酒井忠次
(さかいただつぐ)
大谷吉継
(おおたによしつぐ)
小西隼人
(こにしはやと)
村越茂助
(むらこしもすけ)
■
その他の登場人物
今井宗久
(いまいそうきゅう)
小西隆佐
(こにしりゅうさ)
納屋助左衛門
(なやすけざえもん)
オルガンチーノ
*糸(いと)
島井宗室
(しまいそうしつ)
沈惟敬
(ちんいけい)
小西如清
(こにしじょせい)
*印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人
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