蝶の戦記

　蝶の戦記

蝶の戦記〈上〉
池波正太郎
文藝春秋 2001-12

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尾張、清洲城下のはずれで、二十の於蝶は五月晴れのもとにのびやかな肢体をなげだしていた。夏草のにおいと果肉のような体臭に木立を進む武士は惑乱した。一瞬の後に…。川中島から姉川合戦に到る年月を甲賀忍びの技と道に賭してゆく於蝶。おのが生理と心をあやつり、死闘を繰り広げる女忍びの活躍は、ここからはじまる。

蝶の戦記〈下〉
池波正太郎
文藝春秋 2001-12

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織田信長、浅井長政らの屋敷に侍して、機をうかがう於蝶の、六年前、どことなく少女めいた硬いふくらみに引きしまっていた肉体は、どこも成熟しつくしている。(大好きな上杉謙信公のために…)常人ばなれした女忍者の秘めた女心と香りたつ生命が、戦場に魅惑的な光をなげかける。人気を博した忍者小説三部作、第一弾。

時代：1561年（永禄四年）～1578年（天正六年）
著者：池波正太郎
出版：文春文庫
発行：2001年12月

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■　上総介の評価　★★★★☆
著者初の女忍びを主人公にした本。上杉謙信と武田信玄の川中島の戦い、浅井・朝倉連合軍と織田軍との姉川の戦いを通して、甲賀の杉谷信正のもとで働く於蝶の活躍を描いています。この於蝶は「火の国の城」にも登場します。
■　主人公
＊於蝶（おちょう）

■　脇役
＊伊佐木（いさき）	上杉謙信（うえすぎけんしん）
＊岡本小平太（おかもとこへいた）

■　登場する武将
＊滝山忠介（たきやまただすけ）	＊杉谷信正（すぎたにのぶまさ）
宇佐美定行（うさみさだゆき）	＊小柴見宮内（こしばみくない）
武田信玄（たけだしんげん）	武田義信（たけだよしのぶ）
＊深沢万右衛門（ふかざわまんえもん）	山本勘助（やまもとかんすけ）
＊高井孫九郎（たかいまごくろう）	山中俊房（やまなかとしふさ）
＊新井丈助（あらいたけすけ）	＊池田平右衛門（いけだへいえもん）
六角義賢（ろっかくよしかた）	六角義治（ろっかくよしはる）
浅井長政（あざいながまさ）	＊上田権内（うえだごんない）
朽木元網（くつきもとつな）	柴田勝家（しばたかついえ）
＊渡辺小十郎（わたなべこじゅうろう）	徳川家康（とくがわいえやす）
榊原康政（さかきばらやすまさ）	遠藤直経（えんどうなおつね）
竹中重矩（たけなかしげのり）

■　その他の登場人物
＊新田小兵衛（にったこへえ）	＊杉谷源七（すぎたにげんしち）
杉谷善住坊（すぎたにぜんじゅうぼう）	＊心山和尚（しんざんおしょう）
＊九市（くいち）	＊もや
＊市木平蔵（いちきへいぞう）	＊銭屋十五郎（ぜにやじゅうごろう）
＊甲賀の孫八（こうがのまごはち）	お濃の方（おのうのかた）
＊下田藤作（しもだとうさく）	＊伝内（でんない）
お市の方（おいちのかた）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人