火の国の城

　火の国の城

火の国の城上新装版文春文庫い 4-78
池波正太郎

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風呂の客のたくましい躰には傷痕がきざまれていた。(この客どの…もとは武士や)湯女の乳房が、客のあたまの上でおもたげにゆれている。後から入ってきた客がうかべたおどろきの表情に、二人とも気づかなかったようだ。伊那忍びの丹波大介は生きていた―。関ヶ原の戦から五年、きなくさい京で、忍びの血が呼びさまされた。

火の国の城下新装版文春文庫い 4-79
池波正太郎

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月も星もない闇夜であった。あきらかに、多数の敵が自分を包囲しつつある。(しまった…。)忍びの風上にもおけぬ、大介は自分をののしりつつ走りつづけた。―太閤亡き後も豊臣家に衷心をつくす加藤清正を、家康は陰に陽に追いつめる。家康の魔手に立向かう、大介、於蝶ら名忍びたちの活躍を描いた忍者小説第二弾。

時代：1605年（慶長十年）～1619年（元和五年）
著者：池波正太郎
出版：文春文庫
発行：2002年9月

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■　上総介の評価　★★★★★
著者の戦国忍者シリーズの一冊。関ヶ原の五年後からの六年間を中心に、加藤清正の忍びとなった丹波大介の活躍を描いています。技術的には優秀な忍者・大介の情に溺れる弱さと、清正の政治家としてのスケールの大きさが魅力です。
■　主人公
＊丹波大介（たんばだいすけ）

■　脇役
加藤清正（かとうきよまさ）

■　登場する武将
＊鎌田兵四郎（かまたへいしろう）	飯田覚兵衛（いいだかくべえ）
徳川家康（とくがわいえやす）	本多正信（ほんだまさのぶ）
山中俊房（やまなかとしふさ）	＊城戸新助（きどしんすけ）
森本儀太夫（もりもとぎだゆう）	福島正則（ふくしままさのり）
三浦為春（みうらためはる）	＊青山文介（あおやまぶんすけ）
＊成田弥兵衛（なりたやへえ）	片桐且元（かたぎりかつもと）
浅野幸長（あさのよしなが）	真田幸村（さなだゆきむら）
＊内田弥八郎（うちだやはちろう）	豊臣秀頼（とよとみひでより）
＊伴野久右衛門（ばんのくえもん）	大野治長（おおのはるなが）
＊伊藤助九郎（いとうすけくろう）

■　その他の登場人物
＊奥村弥五兵衛（おくむらやごべえ）	＊もよ
＊伊賀の平吾（いがのへいご）	＊向井佐助（むかいさすけ）
＊梅春（ばいしゅん）	＊於蝶（おちょう）
＊島の道半（しまのどうはん）	＊小兵太（こへいた）
＊千貝の重左（せがいのじゅうざ）	＊於万喜（おまき）
＊新紋（しんもん）	高台院（こうだいいん）
＊長次郎（ちょうじろう）	＊下田才六（しもださいろく）
＊小たま（おたま）	＊安四郎（やすしろう）
＊門兵衛（かどべえ）	＊与七（よしち）
＊馬杉の甚五（ますぎのじんご）	＊弥平次（やへいじ）
＊寅三郎（とらさぶろう）	＊横山八十郎（よこやまはちじゅうろう）
淀の方（よどのかた）	＊権左（ごんざ）
＊仙右衛門（せんえもん）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人