乱世、夢幻の如し

　乱世、夢幻の如し　

傑作『下天は夢か』で雄渾な織田信長像を見事に描き切った著者が、信長の原型をなす下剋上の雄・松永弾正の生涯に挑戦！公方御庭者久四郎、後の松永久秀は、混沌とした畿内の情勢を窺っていたが、阿波に勢力を張る三好長慶の懐に飛び込み、次第に寵を得ていく―。

主殺し、将軍弑逆をなして天下を窺う松永久秀の前に、巨大な敵・織田信長が立ち塞がる。久秀はすぐに信長に誼を通じるが、真実、心服していたわけではない。好機至ればまた謀叛を起こそうと、虎視耽々と狙う久秀。しかし彼の読みははずれ、信貴山城に壮烈な最期を遂げる。まさに「乱世、夢幻の如し」。戦国乱世を生き抜く武将たちの魅力。

時代：1532年（享禄五年）～1577年（天正五年）
著者：津本陽
出版：講談社文庫
発行：1997年3月
上・下巻あり

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■　上総介の評価　★★★★☆
中世の迷信的な考えを持たない合理主義者・松永久秀。大仏殿を焼き討ちし、将軍足利義輝を殺害したのは有名です。彼の若き日の行動や、三好長慶や織田信長の配下に入っての狡猾な行動が楽しめます。信長と似ているといわれますが、上総介は信長のほうがビジョンがあったと思う。
■　主人公
松永久秀（まつながひさひで）
■　脇役
三好長慶（みよしながよし）	松永長頼（まつながながより）
織田信長（おだのぶなが）
■　登場する武将
足利義晴（あしかがよしはる）	細川晴元（ほそかわはるもと）
薬師寺国長（やくしじくになが）	三好義賢（みよしよしかた）
安宅冬康（あたぎふゆやす）	十河一存（そごうかずまさ）
馬切衛門五郎（うまきりえもんごろう）	木沢長政（きざわながまさ）
三好政長（みよしまさなが）	遊佐長教（ゆさながのり）
足利義輝（あしかがよしてる）	安見直政（やすみなおまさ）
三好義興（みよしよしおき）	三好康長（みよしやすなが）
三好長逸（みよしながやす）	伊勢貞孝（いせさだたか）
松永久通（まつながひさみち）	岩成友通（いわなりともなり）
三好義継（みよしよしつぐ）	三好政康（みよしまさやす）
足利義昭（あしかがよしあき）	足利義栄（あしかがよしひで）
筒井順慶（つついじゅんけい）	細川藤孝（ほそかわふじたか）
浅井長政（あざいながまさ）	朝倉義景（あさくらよしかげ）
武田信玄（たけだしんげん）	武田勝頼（たけだかつより）
上杉謙信（うえすぎけんしん）

■　その他の登場人物
＊六郎万（ろくろうまん）	＊兵衛次郎（ひょうえじろう）
顕如光佐（けんにょこうさ）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人