死ぬことと見つけたり

　死ぬことと見つけたり

死ぬことと見つけたり〈上〉
隆慶一郎

新潮社 1994-08
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常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求波と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。

死ぬことと見つけたり〈下〉
隆慶一郎

新潮社 1994-08
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鍋島藩に崩壊の兆しあり。藩主勝茂が孫の光茂を嫡子としたためだ。藩内に燻る不満を抑え切るには、光茂では器量が小さすぎた。老中松平信綱は、不満分子と結び、鍋島藩解体を画策する。信綱の陰謀を未然に潰そうと暗躍する杢之助たち。勝茂は死に際し、佐賀鍋島藩存続のため信綱の弱みを掴め、と最期の望みを託した。男の死に方を問う葉隠武士道をロマンとして甦らせた時代長編。

時代：1637年（寛永十四年）～1657年（明暦三年）
著者：隆慶一郎
出版：新潮文庫
発行：1994年8月

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■　上総介の評価　★★★★★
隆先生の未完の大作。生きながらの死人・杢之助と杢之助にほれ込んだ浪人・萬右衛門。主君に換言し死を賜ることが武士の本分と信じる求馬。この三人が繰り広げる江戸初期の鍋島藩での騒動などを描いた作品。「葉隠」を楽しむというテーマが粋です。
■　主人公
＊斎藤杢之助（さいとうもくのすけ）

■　脇役
＊中野求馬（なかのきゅうま）	＊牛島萬右衛門（うしじままんえもん）
鍋島勝茂（なべしまかつしげ）	松平信綱（まつだいらのぶつな）

■　登場する武将
鍋島直茂（なべしまなおしげ）	＊斎藤用之助（さいとうようのすけ）
＊斎藤杢右衛門（さいとうもくえもん）	水野成貞（みずのなりさだ）
龍造寺伯庵（りゅうぞうじはくあん）	多久茂辰（たぐしげとき）
土山五郎兵衛（つちやまごろべえ）	朝山将監（あさやましょうげん）
＊小島三右衛門（こじまさんえもん）	朝山蔵人（あさやまくらんど）
鍋島直澄（なべしまなおずみ）	鍋島元茂（なべしまもとしげ）
佐野茂之（さのしげゆき）	鍋島正茂（なべしままさしげ）
＊松山主水（まつやまもんど）	＊喜多佐左衛門（きたさざえもん）
＊高浜加右衛門（たかはまかえもん）	＊多比良与左衛門（たひらよざえもん）
＊斎藤権右衛門（さいとうごんえもん）	＊溝田市郎左衛門（みぞたいちろうざえもん）
＊溝田市兵衛（みぞたいちべえ）	＊溝田次郎右衛門（みぞたじろうえもん）
鍋島光茂（なべしまみつしげ）	神代直長（くましろなおなが）
＊松枝十兵衛（まつえだじゅうべえ）	＊西村利右衛門（にしむらりえもん）
＊松枝千兵衛（まつえだせんべえ）	柳生宗冬（やぎゅうむねふゆ）
＊加瀬一太郎（かせいちたろう）	＊石井松之進（いしいまつのしん）

■　その他の登場人物
＊耕作（こうさく）	＊お勇（おゆう）
＊お咲（おさき）	＊下針金作（さげばりきんさく）
庄司甚右衛門（しょうじじんえもん）	＊愛（あい）
＊おせん	＊一平太（いっぺいた）
高木彦右衛門（たかぎひこえもん）	＊お梶（おかじ）
＊小島段蔵（こじまだんぞう）	＊斎藤熊之助（さいとうくまのすけ）
＊静香（しずか）	＊庄司甚之丞（しょうじじんのじょう）
＊勘助（かんすけ）	＊中野数馬（なかのかずま）
＊静世院日暁（せいせいいんにちぎょう）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人