国書偽造

　国書偽造

国書偽造 (新潮文庫)
鈴木輝一郎
新潮社 1996-03

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時は寛永八年、徳川家光の時代である。対朝鮮外交を一手に握る対馬藩の家老、柳川調興が突然、所領の返還を申し出た。調興の訴えは幕府を揺るがす一大スキャンダルに発展していく。朝鮮王と徳川将軍の間で交わされた国書が対馬藩の中で偽造されたり改竄されたりしていたというのは本当か。そして調興の真意は一体何なのか。…史実を基に大胆な発想で描く時代法延ミステリー。

時代：1610年（慶長十五年）～1684年（貞享元年）
著者：鈴木輝一郎
出版：出版芸術社
発行：1993年5月

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■　上総介の評価　★★★★☆
鈴木氏の初の時代小説。対馬藩の家老・柳川調興を主人公とした時代法廷ミステリです。なぜか文庫版は発行が新しいのに、重版未定となってます。内容は戦国時代も既に幕を閉じた寛永十一年に己の夢を賭けて幕府に訴え出た柳川調興と主家・宗義成の詮議を中心とした展開。それを裁く松平信綱とのかけ引きが面白いです。平和な時代に秩序を乱すものは押さえつけられるのですね。しかし硬直化した世の中を正すのはこれらの人たちであることも事実です。
■　主人公
柳川調興（やながわしげおき）
■　脇役
規伯玄方（きはくげんぼう）	松平信綱（まつだいらのぶつな）
■　登場する武将
徳川家光（とくがわいえみつ）	土井利勝（どいとしかつ）
阿部忠秋（あべただあき）	酒井忠世（さかいただよ）
酒井忠勝（さかいただかつ）	徳川家康（とくがわいえやす）
徳川忠長（とくがわただなが）	宗義成（そうよしなり）
宗義智（そうよしとし）	柳川調信（やながわしげのぶ）
松尾利保（まつおとしやす）	松尾一角（まつおいっかく）
＊篠田九郎左衛門（しのだくろうざえもん）	＊横田角左衛門（よこたかくざえもん）
＊多田源右衛門（ただけんえもん）	伊達政宗（だてまさむね）

■　その他の登場人物
＊勝田孫七（かつたまごしち）

＊印は著者の創作人物または実在したかどうかは不明な人